税理士法人エム・アンド・アイの近藤です。

『事業は人なり』といわれますが、どんな経営でも適切な人を得てはじめて発展していきます。この企業を支える大切な「人」に関する費用には、「給与」以外に「厚生費」があります。この厚生費は、法律で定められている「法定福利費」とそれ以外の任意の「福利厚生費」の2つに大きく分けることが出来ます。

ニュースでよく取り上げられる「年金」や「社会保険」も、この「法定福利費」に関係します。
多くの事業主は、法律で健康保険と厚生年金保険の加入を強制されています。
健康保険料・厚生年金保険料の負担は、事業主(企業)と被保険者(従業員等)で
折半し、従業員等の負担分は給与から控除して企業が一括して納めます。

最近、民主党政策調査会が、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用拡大について、当面の対象者を決定しました。対象者は、
@ 週労働時間20時間以上(現行週30時間以上)
A 月額賃金7.8万円(年収94万円)以上
B 勤務(見込み)期間1年以上
C 学生は適用除外
D 従業員(現行基準で適用となる被保険者)501人以上の企業に勤める人
となっており、新たに45万人が社会保険の適用を受ける見込みです。

2016年4月に施行が予定されていますが、施行後3年以内にさらに対象者を拡大すると法律に明記する考えを明らかにしています。
短時間労働者への社会保険適用は、政府の「社会保障と税の一体改革」における施策の目玉の一つで、加入すべき従業員等の範囲を拡大するということは、その分企業の負担が増加します。もちろん被保険者となる「短時間労働者」も給与から個人負担分の保険料が差し引かれます。

また、政府管掌健康保険が2008年10月1日より新たに設立された全国健康保険協会に移管され、それに伴い全国一律だった保険料率も各都道府県別に決定することとなりましたが、2010年3月には全国平均で1.14%の大幅な保険料率の引き上げが行われ、その後も毎年3月に保険料率が引き上げられています。
保険料率が上がるということは、従業員等個人の負担が増えると同時に、企業の負担も増えるということです。

企業も個人も、少子高齢化社会の中で保険料の負担が増加しています。