大阪市淀川区の税理士法人エム・アンド・アイの根木です。

会計検査院が医師及び歯科医師の税制について調査を行いました。

この税制とは医療保険の診療報酬が5,000万円以下の医師及び歯科医師の事業所得の計算において認められている概算経費の特例の制度です。

本来所得税の事業所得は収入金額から収入を得るための必要経費を控除して計算します。ところが、医療保険の診療報酬が5,000万円以下医師及び歯科医師に限っては、医療保険の診療報酬に係る必要経費を実際にかかった必要経費に代えて一定の概算経費の額を使うことができるのです。

会計検査院は、08年〜09年にこの制度の適用を受けた医師・歯科医師延べ1,900人を抽出し、そのうち実際に経費を把握できた約1,650人ついて調査を実施。その結果、調査対象者が2年間で納めた所得税が約40億円であったと報告しています。もし、この制度がなければ納めなければならない所得税は約72億円と算出しています。このことから、2年間で約32億円が軽減されたことになります。

もともとこの制度は、小規模な医療機関の経費を把握する事務作業を軽減することを目的としてできた制度ですが、実際には経費を把握している人も多いことも判明したとのことです。
会計検査院は「控除額と実際の経費に大きな差があり問題だ。高額な収入のある開業医や歯科医は医療機関としての規模も大きく、制度の趣旨にあわない」と指摘しています。

また、これに対して財務省と厚生労働省は「適切な対応を検討したい」としています。

今後、改正等を含めこの制度の動向が注目されるのではないでしょうか?