税理士法人 エム・アンド・アイ根木です。

本来であれば、税制改正はその年の3月31日までに国会において承認され、4月1日より施行されるものが多いのですが、平成23年度税制改正法案は平成23年3月31日にまでに成立しませんでした。その後、この平成23年度税制改正法案は次の2つの法案に分離されました。

(1) 現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案
(2) 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案

上記(1)の法案は平成23年6月22日に成立しました。
一方、上記(2)の法案は今後引き続き継続審議されることとなりました。

上記(1)の法案の中では消費税の改正が大きいのではないでしょうか。改正内容は下記のとおりです。

@ 仕入税額控除に係る95%ルール
従来は、課税売上割合が95%以上であれば、課税仕入れ等の税額は全額控除することができましたが、改正により、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から、課税売上高が5億円を超える事業者は、たとえ課税売上割合が95%以上であっても、全額控除することができず、課税売上割合に対応する課税仕入れ等の税額のみ控除することとされました。

A 事業者免税点制度の見直し
従来は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であれば、消費税の免税事業者に該当しましたが、改正により、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(個人の場合には、その年の前年1月1日から6月30日までの期間、法人の場合には、その事業年度の前事業年度における上半期の期間)の課税売上高が1,000万円を超える場合には、消費税の免税事業者には該当せずに、消費税の納税義務が生じることとなりました。この改正法の適用時期は当初の法律案では平成24年10月1日以後開始する事業年度から適用するとされていましたが、今回の法案では平成25年1月1日以後に開始する個人のその年又は法人のその事業年度に変更されています。また、この1,000万円の基準には課税売上に代えてその特定期間中に支払った一定の給与等の金額をもって課税売上とすることもできます。

上記(2)の法案には、個人所得税見直し、法人税率の引下げ、相続税・贈与税の見直し等経済に大きな影響をあたえるものが多く、今後の審議動向が注目されます。