大阪市淀川区の税理士法人エム・アンド・アイの近藤です。

今回は震災に関連した雇用・労働関係(助成金など)についてご案内します。

私たちは、働く(労働者)場合や雇用する(使用者)場合、「働きます」「雇用します」という約束=契約をします。労働条件や労働内容も双方の合意で決めます。
 しかし、これらは自由に決めることができるわけではなく、雇用・労働に関する法律で
定められた範囲で契約をします。雇用・労働に関する法律には労働基準法や最低賃金法などがあります。

 今回の東日本大震災の発生により、被害を受け事業の継続が困難になった場合や、
被災地以外でも、震災の影響で休業せざるを得ない場合が非常に多い状況にあります。
 しかし震災が理由でも無条件に解雇や雇止めが認められる訳ではなく、これらの法律に沿って対応することになります。
 賃金や解雇等の労働者の労働条件については、使用者が守らなければならない事項が多数あり、使用者自身も被災者である場合も非常に多い中で、解雇や休業の対応には大変な労力が必要となります。

 そこで支援策として、震災特例法で税金や社会保険料が減免されたのと同じように、
雇用・労働関係でも特例措置の実施や新たな助成金が創設され、労働保険料の免除等も行われています。(以下の特例措置や助成金を受けるには雇用保険の適用事業であることが第一要件となります。)

【助成金の特例措置】
 例えば、東日本大震災に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合に利用できる雇用調整助成金では支給要件の緩和が行われています。
 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用を維持するために、一時的に休業等を行った場合、その休業等に係る休業手当相当額等の一部(中小企業で原則8割)を助成する制度です。

【雇用保険の特例措置】
 また、東日本大震災で事業所の損壊など直接的な被害を受け休業する場合は、「経済上の理由」に該当しないため、上記助成金の対象になりませんが 「激甚災害法の雇用保険の特例措置」や「災害救助法の適用地域における雇用保険の特例措置」を受けることができます。
事業所が災害で休業を余儀なくされ賃金を支払えない場合に、実際に離職していなくても雇用保険の基本手当を受給できたり、事業再開後の再雇用を前提に一時的に離職した場合でも雇用保険の基本手当を受給できるというものです。
 失業給付の給付日数も延長されています。

【創設された助成金】
 その他、被災離職者等の再就職を早急に支援するため、「被災者雇用開発助成金」が創設され、被災離職者等を雇い入れる事業主に対して助成金が支給されます。こうした助成金を利用するなどして、復興に協力することもできます。

 詳しくは厚生労働省のHPにQ&Aなど関連情報が掲載されています。
 また全国のハローワークには「震災特別相談窓口」が、被災地域の都道府県労働局には「緊急相談窓口」が設置されています。