税理士法人エム・アンド・アイの近藤です。

今年も年末調整を行う時期になりました。
年末調整とは、『毎月の給料から源泉徴収された所得税の精算手続き』ですが、
毎月の給料から天引きされている税金にはもう一つ、住民税があります。(この住民税を特別徴収の住民税と言います。)

特別徴収とは、給与支払者(事業主)が所得税の源泉徴収と同様に、給与を支払う際に従業者の個人住民税を差引いて、納税義務者である従業者に代わって、従業者の居住する市町村に納付する制度です。これは地方税法の規定で、給与支払者(事業主)や、従業者の意思で特別徴収するかどうかを選択することは出来ません。

ただし実際は、給与支払者(事業主)の実情を踏まえ普通徴収(従業者個人による納付)を容認しているケースが多くみられました。
ところが、2007年より所得税から住民税への税源移譲が実施されたことや、住民税の徴収率の低下傾向を受け、最近になって、各自治体は特別徴収の実施推進に取り組み始めました。

この特別徴収の方法による納税の流れは次の通りです。
1 ≪事業主≫
  毎年1月31日までに、各市町村へ従業者(パート・アルバイト等を含む)全員の給与
  支払報告書(前年分)を提出
2 ≪各市町村≫
  上記1の給与支払報告書をもとに個人住民税額を計算
3 ≪各市町村≫
  毎年5月31日までに、給与支払者(事業主)へ特別徴収税額を通知・納付書の送付
4 ≪事業主≫
  6月以降、月々の給与から徴収
5 ≪事業主≫
  翌月10日までに、各市町村へ納付

住民税は所得税のように給与支払者(事業主)が税額を計算する必要はありません。
しかし、納付先は従業者の居住する各市町村になりますので、複数になる場合が多いと思われます。退職や転勤などがあった場合も手続きが必要になります。

また所得税と同じように、従業者が常時10名未満である場合に限り、申請により承認を受けた場合には、特別徴収税額の納期の特例があり、納期を年12回から、年2回とすることが出来ます。ただし所得税とは特例の期間と納付期日が違いますので、注意が必要です。

ただいずれにしても、給与支払者(事業主)の事務負担は軽くはありません。