税理士法人エムアンドアイの近藤です。


今年も残すところあと2ヶ月。そろそろ会計事務所も繁忙期に突入する季節になりました。
雑誌も、年末調整や確定申告の特集が組まれる頃でしょうか。
『あなたも税金を取り戻そう!』などのタイトルに惹かれ、書店で立ち読みをしてしまう人も多いかも知れませんね。
確かに、税金のことに限らず、知っているといないとでは全く違う、ということもたくさんあります。

そんな中の一つ、詐欺の被害について、皆さんご存知でしょうか。
世の中では、依然として振り込め詐欺の被害が発生しています。最近の騙しのテクニックは、警視庁のHPによると、
事前に身内を名乗り「携帯電話の番号が変わった」等と連絡しておき警戒感を払拭させる。
あらかじめ、「風邪をひいて声が変だと思うけど」と言っておき、相手に疑問を抱かせない。
バイク便業者や直接代理人を自宅に向かわせ、現金を『手渡し』させる。等など。

そこで、不幸にもそんな詐欺被害に遭われた方のために、「振り込め詐欺救済法」が制定されました。(平成20年6月21日施行)これは、振込先の犯罪口座にお金がある場合、被害額や被害人数によって按分された金額が戻ってくるものです。(申請が必要です。)

ところが、『手渡し』詐欺の場合は、『犯罪口座』がない為、この制度の対象とはなりません。これは、金融機関が、振り込め詐欺等により資金が振り込まれた口座を凍結し、口座名義人の権利を消滅させる手続を行った後、被害回復分配金を支払うもので、被害を国や金融機関が補填するというものではないからです。

では、税金面で何かしらの手当てがないものかと考えがちですが、『詐欺』による被害には何の手当てもありません。(「振込み」も「手渡し」も同じです。)

所得税には『雑損控除(医療費控除のように、所得から差し引けるものです。)』というものがありますが、これは次のいずれかの損失の場合に限られます。
1 震災、風水害、冷害、雪害、落雷などの自然現象の異変による災害
2 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
3 害虫などの生物による異常な災害
4 盗難
5 横領

盗難や横領で控除が受けられるのに、何故?と思いますよね。それは、詐欺や恐喝は、不本意でも本人の意思も関与している為、対象とならないようです。個人的には、同様に手当てして欲しいと思いますが。
とにかく被害にあわない、これしかないようです。